1999-04-13 ArtNo.18771
◆<星>タン副首相、今年のGDP成長率1%突破の可能性示唆
【シンガポール】トニー・タン副首相兼国防相は9日、今年第1四半期に生じた各種の兆候から見て、通年の国内総生産(GDP)成長率が、-1~+1%の政府予測値を上回る可能性が有ると語った。
米国商業会議所(ACC)アジア太平洋委員会の年次会議で基調演説を行ったタン副首相によると、今年第1四半期には世界的な電子市況の復調を反映し、国内経済にも控えめながら回復の兆しが生じた。指導的総合指数は上昇に転じ、1月と2月の工業生産は6.1%の成長を見た。
域内に騒乱が発生するようなことがなく、米国経済が引き続き堅調な成長を遂げるなら、シンガポール経済の今年の成長率は、通産省が今年2月に発表した-1~+1%のレベルを遙かに上回る可能性がある。
シンガポールはアジア危機後の経済制度に関しても検討しており、知識集約型経済への転換を図っている。経済危機は、シンガポール経済の構造/能力/戦略に見直しを加える必要を認識させた。
タン氏は、「アジア経済体はその欠陥を是正し、改革を実行する意思を備えており、シンガポールは投資家に引き続き魅力的な機会を提供していく」と述べるとともに、アジア経済の回復は米国がその市場を今後も開放し続けることを前提にしていると指摘した。
同相によれば、米国の貿易赤字の拡大につれ、保護主義が台頭しつつあるが、米国市場の開放を維持することこそ、アジアの復興を支援する最良の策であり、世界経済のリハビリテーションを完遂することにもつながる。アジア経済の復興は、長期的には米国の輸出品を吸収し、米国の貿易赤字を縮小することにもつながるはずと言う。(BT,ST,LZ:4/10)
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