SEAnews 1999-03-31 ArtNo.18648

【シンガポール】シンガポールの2月の製造業生産は、化学部門の28.3％の堅調な成長に支えられ、旧正月休暇で就業期間が短かったにも関わらず、昨年同月比2.8％アップ、3カ月連続プラス成長を維持した。
経済開発局(EDB)は28日以上の統計数字を発表するとともに、昨年の0.5％のマイナス成長からプラス成長を回復する幸先の良い兆候と指摘した。今年1月には比較対象になる昨年同月の実績が低調だったこともあって9.4％の成長が記録された。このため3カ月移動平均で見た2月の数字は4.9％、年初2カ月の成長率は6.1％になる。
化学部門の中では、高付加価値の精薬品の生産が2月に大幅に拡大、薬品部門が149％の急成長を遂げた。薬品部門は、世界市場に依存し、域内市場の低調に影響されないこともあって、スター・パフォーマンスを見せた。石油精製、工業化学／特殊化学、石油化学部門も、2月にはそれぞれ3.5％、1.8％、6.2％のプラス成長を記録した。
シンガポールの国産非石油製品輸出の20％に貢献する電子部門の成長は、1月の24.9％の伸びに比べ見劣りがするものの、3.1％のプラス成長を保った。電子部門は携帯電話の生産増加に支えられた他、ディスク・ドライブ、コンピューター・パリファラルズ、半導体、プリント基板アセンブリー(PCBA)の生産も拡大した。
しかしエンジニアリング部門は3つのサブセクターが全てマイナス成長を記録、特にプロセス・エンジニアリング部門は、工業用プロセス制御機器の生産は拡大したものの、石油鉱区施設の大幅な減産に祟られ、30.8％の落ち込みを見た。精密工学部門は、金属／プラスチック精密部品、軸受け、工具、ダイの不振が祟り、16.7％ダウン。運輸機器部門は船舶修理業務の減少が災いし、4.8％のマイナス成長にとどまった。
製造業の生産のプラス成長は、直ちに輸出の回復にはつながらず、2月の国産非石油製品輸出は名目7％、実質3％の落ち込みを見た。昨年12月以来の製造業生産と輸出のこうした分岐から、輸出業者がストックを積み上げている可能性も予想されると言う。(BT,ST,LZ:3/29)