【シンガポール】NECは19日、240万Sドルを投じて設けた同社としてはシンガポールにおける初の移動電話技術研究開発(R&D)センター“NEC Mobile Communications Development Singapore”をオープンした。
イノウエ・タケトシ重役(MD)によると、次世代の移動電話技術とされるワイドバンド・コード・ディビジョン・マルチプル・アクセス(W-CDMA)テクノロジーを応用した移動電話は2001年までに実用化される。W-CDMAは現在のものより50倍速い毎秒2MB(メガビット)のデータ転送を可能にする。これにより移動電話を通じてリアル・タイムのビデオ・イメージを転送したり、高速インターネット・アクセスやマルチメディア・アクセスも可能になる。
イノウエ氏は、目下のところNECのセル式電話製品は全て日本で生産されているが、アジア経済が回復すれば域内に製造施設を設けることも検討すると語った。
NECは現在シングテル・モービル、国立シンガポール大学、NTTドコモのW-CDMA実験に協力している。
経済開発局(EDB)によれば、シンガポールの通信産業の年商は向こう5年間に60億Sドルの大台に乗る見通しと言う。(ST,BT:3/20)