SEAnews 1999-03-19 ArtNo.18546

【シンガポール】シンガポール金融管理局(MAS)は、ブティック・ファンドと呼ばれる独立系小規模ファンド・マネージャーが、より大きな役割を演じられるよう新ライセンス・スキームを導入する。この種のファンド・マネージャーはこれまでライセンスを必要としなかったが、税制優遇措置等の恩恵を享受できなかった。
シンガポール投資管理協会(IMAS)が17日主催したセミナーの席上、ＭＡＳのコー・ヨングアン局長(MD)が語ったところによると、現在シンガポールには1ダースほどのブティック・ファンド・マネージャーが存在するが、投資顧問ライセンスの発給を受けることにより、ブティック・ファンド・マネージャーの外国投資顧客も投資収益に対する5年間の免税措置を認められ、ブティック・ファンド・マネージャーはより幅広い顧客ベースを確保できるようになる。
ブティック・ファームに対する投資顧問ライセンスの条件や規則は通常のものより緩やかで、次の諸点が含まれる。
1）シンガポールの公民権もしくは永住権を所持するプロフェッショナルがブティック・ファームの過半数の権益を保持せねばならない。
2）ブティック・ファームはファンド・マネージメントに関わる3年以上(通常は5年以上)の経験を有せねばならない。
3）ブティック・ファームの運用するファンドの規模は1億Ｓドル(通常はS$10億)以上でなければならない。。
4）最低払込資本は50万Ｓドル(通常はS$100万)、サブ・アドバイザーの最低払込資本は25万Ｓドル。
5）ブティック・ファームはインベストメント・マネージメント・アソーシエーション・オブ・シンガポール(IMAS)に加入し、その倫理規準を遵守し、専門家としてのスタンダードを備えていなければならない。
6）ブティック・ファームは最低2人のファンド・マネージャーを有し、その内1人は株主でなければならない。
7）顧客は会社法に規定されたいわゆる経験有る投資家に限られる。顧客の数は制限を受けない。(無免許は30社以下)
この他、シンガポール証券取引所(SES)のメンバーやその関連会社にも、一定の条件を満たせば、ブティック・ファンド・マネージャーのライセンスが発行される。