1995-06-05 ArtNo.1853
◆<星>4月の輸出成長率過去1年来初めて1桁に後退
【シンガポール】シンガポールの4月の国産非石油製品輸出は昨年同月比実質7.4%の成長にとどまり、2月及び3月の各37.3%及び28.5%の伸びから顕著に鈍化した。
貿易開発局(TDB)が2日発表したところによれば、3月に1.8%のマイナス成長を見た石油輸出は4月には12.1%の一層大幅な縮小を記録した。再輸出の伸びも2月の50.6%、3月の36.2%を下回る9.6%にとどまった。4月の輸出全体の伸び率は5.6%だった。特にマレーシア向け国産非石油製品輸出は昨年同期比23.3%下降しており、一部のアナリストは両国間貿易の今後の長期的趨勢を示す兆しではないかと懸念している。某証券会社アナリストによれば、マレーシアの電子部品需要の大きな部分が今やシンガポールよりもペナンからの供給に頼るようになっている。シンガポールの他の主要貿易相手国への同月の国産非石油製品輸出は米国11.7%、欧州14.9%、日本27.1%、香港27.2%と、依然プラス成長を維持した。また4月には輸入成長率も2月、3月の21.2%、17.1%から1.7%に鈍化した。TDBは4月の輸出成長率の減速は国内経済の成長鈍化を反映しているが、消費税(GST)導入に伴う貿易データの収集の改善で、昨年来の貿易成長率が誇張された嫌いが有ること、またGSTシステムへの移行過渡期の昨年3月後半の貿易数字が昨年4月に繰り越されて記載されたこと等も、今年4月の輸出成長率の鈍化を際立たせる結果を招いたとしている。しかしアナリストはGST効果を余り誇張すべきではなく、輸出成長の鈍化は経済成長そのものの鈍化をより多く反映していると指摘している。(ST,BT,LZ:6/3)
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