SEAnews 1999-03-10 ArtNo.18438

【シンガポール】シンガッポールの地場銀行ＤＢＳバンクとＯＵＢ(華聨銀行)は8日、国内と域内の不良貸付(NPL)の急増から、揃って大幅な減益を報告したが、両行幹部はいずれも今年は業績の回復が望めるとしている。
不良貸付に対する引き当てを前年の4億7400万Ｓドルから50％増額させたＯＵＢの純益は前年比29.2％減の1億8040万Ｓドル、これに対して前年比101％増の10億Ｓドル弱の引き当てを計上したＤＢＳの純益は2億2270万Ｓドルと、前年比49％の落ち込みを見た。
信用格付け会社Fitch IBCAは、以上の報告がなされた後、目下“Ｂ”のＤＢＳの格付けに見直しを加えると声明した。しかしＤＢＳとＯＵＢの幹部は最悪の時期は既に乗り越え、今年は改善が見込めるとしている。
オフショア・ビジネスに大きく依存(税引き前利益の40%)するＯＵＢは、他の地場行に比べ金利マージンの恩恵をそれほど享受できなかった。例えばＤＢＳの金利収入は43％増加したが、ＯＵＢの場合は4％の増加にとどまった。しかしＯＵＢのいわゆるその他の収入、例えば外貨／証券等の取引収入は遙かにＤＢＳを上回っている。ＵＯＢの証券取引利益は前年の100万Ｓドルから1700万Ｓドルに激増した。同行は域内インベストメント・バンキング領域における外国パートナーを物色している。
ＯＵＢのシア頭取は、「タイの複数の銀行と接触したが、性急な買収を控えたのは正解だった」と語ったが、これとは対照的にＤＢＳのダナバラン会長は「Thai Danuの帳簿内容に目を通していたなら、もう少し買値を安くしていたはず」と慚愧の色を隠さない。しかしタイ市場進出の足場を固めただけでも漸進と付言した。しかしダナバラン氏は、政府がＰＯＳバンクをＤＢＳに売却したのは、Thai Danu買収に伴う損失を補填するためとの説はマスコミの勘ぐりに過ぎないと指摘した。しかしジョン・オルズ同行重役(CEO)は、「興味深い付合」とコメントした。
ＰＯＳバンクの業績を含めなければＤＢＳの減益率は60％に達したところだった。またＰＯＳバンクもThai Danuも含めなければ減益率は27.6％にとどまったはずと言う。(BT,ST,LZ:3/9)