1999-03-09 ArtNo.18424
◆<星>イノメディア、IP市場の国際プレーヤー目指す
【シンガポール】地元テクノロジー企業イノメディアは、クリエイティブ・テクノロジーの後塵を拝し来年末までにナスダックへの登録を果たし、国際インターネット・プロトコル(IP)市場で、クリエイティブに劣らぬ成功を収める計画だ。
シム・ウォンフー氏やチャイ・クォンスン氏とクリエイティブを創設したン・カイワ氏が1995年に設立したイノメディアは、昨年、前年を200%上回る400万Sドルの営業額を達成、今年も同レベルの成長を見込んでいる。このため来年は創業以来初めて利益を計上できる見通しだ。
ン氏によると、当初は今年末の利益計上を目指していたが、同目標は実現できそうにない。目算が外れた理由の1つには、研究開発(R&D)/セールス/マーケッティングに多額の資金を投入、あまり急速に事業を拡張したことが挙げられる。同社はこれまでに2000万米ドル以上を投資、米国と台湾に支店も設けた。ン氏は当初クリエイティブの14%のシェアを保持していたが、今では5%に縮小、これまでに1億2000万Sドル以上を換金したことになる。
IP市場には、台湾企業の他、ルーサント・テクノロジーのようなハイエンド製造業者も存在し、強力な競争者がひしめいている。台湾企業は一旦市場に足場を築いたなら直ちにアグレッシブな価格攻勢に転じる機動力を備えており、ハイエンド・プロデューサーは強力な財政基盤を有する。イノメディアはこれに対して様々な機能を備えた製品をセットで提供、総合力で対抗する方針と言う。
業界筋によれば、シンガポールの第2基本電話会社スターハブへのIP機器納入契約を巡り、イノメディアはルーサント・テクノロジーやエリクソンと鎬を削っているようだ。スターハブは既に米国企業Ascend CommunicationsにIPデータ・ネットワーク機器を発注しており、イノメディアらが獲得を目指している契約はこれを補足するものと言う。(ST:3/8)
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