1999-03-08 ArtNo.18410
◆<星>今年の成長率は0.4%:NUS
【シンガポール】今年のシンガポールの国内総生産(GDP)成長率は、域内経済の不振や日本経済の回復の遅れから0.3-0.4%にとどまる見通しだ。
国立シンガポール大学(NUS)経済研究ユニットが4日発表したところによると、昨年1.5%の成長を見たシンガポール経済は今年も当初2四半期マイナス成長が続き、その後緩やかな成長基調を回復するものと見られる。電子業況やマレーシア経済が回復すれば、通年で0.4%を超える成長も予想される。米国の電子需要は4~5年の周期で変動しており、2000年が次のピークになる見通しだ。しかしこの種のピークは新技術等の刺激要因により招来される。仮に米国の需要が回復し、シンガポールの輸出が拡大するなら、回復の歩調も加速される。
アジア経済危機と日本経済の低迷が米国やその他の先進国の経済成長を鈍化させるなら、シンガポール経済が4%の成長を回復するまでに4年を要する見通しだ。その反対に世界経済が2.5%の成長を維持するならシンガポール経済は2001年までに6%、2003年までに8%の成長を回復できる。
一方、昨年9月に4.5%に達した失業率は、今年と来年も4%を上回るレベルを維持する見通しだ。1998年の平均失業者数は6万2800人で、今年は8万9000人が見込まれる。これに対して労働人口は1998年のレベルから3%拡大、200万人に接近する。昨年は過去最高の2万8300人が解雇されたが、解雇者数と失業者数は直接結びつかず、解雇者数に目を奪われれば、状況を見誤る恐れがあると言う。(BT,ST,LZ:3/5)
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