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1999-03-08 ArtNo.18409
◆<星>Sドル高が競争力低下の主因:NUS
【シンガポール】国立シンガポール大学(NUS)経済研究ユニットは4日、過去2年来のシンガポールの競争力低下は労働コストの上昇よりもSドル高が主因とする調査結果を発表した。
それによると、管理職/専門職を除くシンガポールの賃金コストは香港、台湾、韓国を遙かに下回っている。例えばシンガポールの昨年の機械工、コック、銀行事務員、店員、建設労働者の平均給与は米ドル・ベースで香港/台湾の60%、韓国の80%(ILO統計)に過ぎない。加えて最近の中央積立基金(CPF)雇用主負担率の引き下げで、シンガポールの賃金コストは更に少なくとも15%下降したものと見られる。
シンガポール製造業の米ドル・ベースの比較単位労働コスト(RULC)--単位労働コスト(ULC)を他国と比較した比率--は、過去2年来顕著な上昇を見たものの、香港、台湾、韓国との比較では、1986年以来競争力を維持しており、譬え過去2年に限ってもこうした傾向が保たれている。
インドネシアとの比較では、シンガポールのRULCは1986-98年の間に年率12%の伸びを見た。しかし労働コストに限って見ると、年率6.7%の伸びとなる。
またマレーシアとの比較ではシンガポールのRULCは1986-98年の間に年率9%の伸びを見たものの、労働コストの伸びは2.3%にとどまった。
シンガポールのULCは1985-86年のリセッションの際に12%下降したが、その後12年間に年率6%以上の伸びを見た。今年はULCの17%の下降が見込まれるが、向こう5年間、労働コストは依然生産額の60%を占め、同比率は近隣諸国を上回る。ULCでは、個々の労働内容の相違は無視されるが、いずれにしてもシンガポールの挑戦は、どこまで生産性を向上できるかと言う点にかかっていると言う。(BT,ST,LZ:3/5)
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