SEAnews 1999-03-03 ArtNo.18364

【シンガポール】ＯＣＢＣ(華僑銀行)バンクのローン・ポートフォリオは昨年第2四半期に急激に悪化、不良貸付(NPL)の総額は1年前の18億Ｓドルから40億Ｓドルに拡大した。
シンガポールにおけるＮＰＬは上半期に3億5000万Ｓドル増加した後、下半期にも10億Ｓドルが上乗せされ、26億1000万Ｓドルに倍増、これに対して域内ＮＰＬは5億4000万Ｓドルから14億5000万Ｓドルに3倍に膨張した。昨年上半期には4億Ｓドル、下半期には5億1000万Ｓドルの増加を見た。
ＯＣＢＣは同年、22億7000万Ｓドルを引き当てたが。この内13億5000万ＳドルはＮＰＬに対するもので占められた。これによりＮＰＬの54％と、疑わしいローン(元金／利子支払いの停頓が3カ月以下)の154％の損失がカバーされる。特に域内ポートフォリオに関してはＮＰＬの93％、疑わしいローンの148％の損失がカバーできる。
マレーシアへのエクスポージャーは77億Ｓドルと、域内エクスポージャーの82％を占めている。マレーシアでは元金／金利返済の停頓が6カ月を超えるものをＮＰＬと判定しているが、ＯＣＢＣはより厳しい3カ月の基準を採用している。マレーシアにおける引き当ては1年前の1億3100万Ｍドルから4億3700万Ｍドル(S$1.983億)に増額されたが、少なからぬ顧客が地方の小都市を拠点としていることもあって、経済危機の影響は比較的軽微にとどまっている。またこうした引き当てに関わらず、マレーシア業務は前年比75％減の5100万Ｍドルの利益を計上した。
ＯＣＢＣの昨年通年の純益は前年比27％減の4億2500万Ｓドルと、アナリストラの平均予測値4億Ｓドル(31％減)を若干上回った。(ST,BT,LZ:3/2)