SEAnews 1999-03-02 ArtNo.18348

【シンガポール】今年1月の製造業生産は電子業の23.4％の躍進に支えられ、10％の成長を見た。
経済開発局(EDB)が日曜(2/28)発表したステートメントによれば、1月の製造業生産の伸びは昨年2月の16％に次ぎ、過去11カ月以来の最高。昨年の製造業生産は5月から11月の間は連続マイナス成長を記録、通年で0.5％の落ち込みを見た。しかし昨年12月には3.1％のプラス成長を回復していた。
今年1月の製造業生産が顕著な伸びを見た理由の1つとして、比較の対象になる昨年1月の数値が低調だったことが挙げられる。昨年1月は旧正月とハリラヤの祝日が重なり労働日数が少なかったこと等から、製造業生産は－4.9％、電子生産は－6.3％と、いずれもマイナス成長を記録していた。
最近発表された今年1月の国産非石油製品輸出は、昨年1月の数値が低調だったにも関わらず、2.2％下降した。ＥＤＢのウォン・ウィーキム副部長は、生産統計と貿易統計のこうしたギャップに触れ、「シンガポール国内における消費は限られており、生産されたものは最終的に輸出される。単に在庫が拡大しただけと言うことはないと思う」と語り、引き続き状況を注視していく考えを明らかにした。
1月の電子生産は主に通信機器の製造に牽引されたが、プリント基板アセンブリー(PCBA)、ディスク・ドライブ、コンピューター、半導体の生産も拡大した。
昨年12月に60％の急増を見た化学部門の伸びは1月は1.1％の成長にとどまった。石油化学生産は前月の4.8％から12.2％に成長速度を速めたものの、薬品は＋471％から－9.5％に後退、石油精製も4.1％の落ち込みを見た。
エンジニアリング部門は運輸機器の好調に支えられ、昨年12月の－1.7％から＋1.8％の成長を回復した。
1月の製造業生産を3カ月移動平均で見ると、2.9％アップ。内訳は、電子＋5.4％、化学＋21.8％(精製-7.7%／薬品+136%／工業・特殊化学-6.5%／石化+4.6%)、エンジニアリング－6.7％(精密-11.0%／加工+1.6%／運輸機器-4.2%)。(BT,ST,LZ:3/1)