1999-03-01 ArtNo.18334
◆<星>景気底入れ、今年下半期には成長基調回復も:通産省
【シンガポール】シンガポールの昨年第4四半期の国内総生産(GDP)は、当初予想されたマイナス1.5%を下回るマイナス0.8%の落ち込みにとどまり、このため通年の成長率も政府予測の1.3%を上回る1.5%を記録した。
シンガポール通産省は先週木曜(2/25)以上の統計数字を明らかにするとともに、昨年第4四半期の数字は経済の下降局面が底入れしたことを示しており、こうした上げ潮が維持されるか否かは依然として問題だが、国内経済は今年下半期にゆっくりと回復に転じるとの明るい見通しを示した。
とは言え昨年第4四半期の0.8%の落ち込みは、昨年第3四半期の0.6%の落ち込みを上回っており、通産省は今年通年の成長見通しをこれまで通り-1~+1%に据え置いている。
昨年1年を通じて製造業は最大の打撃を受け、1997年の4.5%のプラス成長から、0.5%のマイナス成長に陥った。電子業が3.1%のマイナス成長を見た他、プラスッチック製品は-17%の最大の落ち込みを記録したが、化学部門の+26%や運輸機器部門の+12%の成長に救われた。経済開発局(EDB)は、過去3カ月のディスク・ドライブ需要の安定した成長から見て、電子業は今年回復に転じると見通している。
商業部門は主に中継輸出の10%の落ち込みに祟られ、一昨年の5.7%のプラス成長から4%のマイナス成長に後退した。
運輸通信部門は一昨年の9.2%には及ばなかったものの5.5%の成長を見、建設部門も3.9%ながらプラス成長を維持した。同部門は一昨年は15%の成長を見ていた。
金融/ビジネス・サービス部門は一昨年の11%から3.1%に成長が鈍化した。同部門は第4四半期の証券市況の活況に助けられ、プラス成長を保った。
昨年通年の解雇者は2万8300人と、前回リセッションに見舞われた1985年の1万9529人の記録を大きく更新した。製造業とサービス業が最も深刻な打撃を受けた。 製造業の単位ビジネス・コストは1997年には0.8%アップしたが、昨年は1.2%下降した。
消費者物価は昨年0.3%下降、今年も-1~0%のデフレ基調が続くものと予想されている。(ST,BT,LZ:2/26)
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