1999-02-24 ArtNo.18292
◆<馬>IMFに依存したなら国内経済はとっくに破綻:首相
【ワシントン】このほど米国の週刊誌エグゼクティブ・インテリジェンス・リビュー(EIR)のインタビューに応じたマハティール首相は、「国際通貨基金(IMF)が通貨投機を規制するのを待っていたならマレーシア経済はとっくに破綻していたはず」とIMFの通貨政策を糾弾した。
それによるとマレーシアは国際機関に通貨投機の規制を呼びかけたが、全く耳を貸す者がなかったため、国内経済の破綻を回避する上からも、やむなく自ら通貨管制を導入した。
マレーシアはIMFに借款を求めなかったにも関わらず、IMFは「通貨取引を抑制したいなら金利を引き上げ、貸付を縮小すべきだ」、「不良貸付の判定基準となる元利返済停頓期間を短縮し、この種の企業を倒産させるべきだ」等とマレーシアに勧告した。IMFは当時のマレーシアの蔵相や中央銀行に大きな影響力を有したため、マレーシアはこうした勧告を遵守、その結果経済はきりもみ状態に陥り、企業と銀行の倒産が続出したと言う。
マハティール首相は世界銀行に対しては攻撃の手を若干緩めたものの、世界銀行が、マレーシアの内部問題やマレーシアの一部の者との個人的交情を借款条件に絡める態度を採った事に落胆の意を表明、特にジェームズ・ウォルフェンソン世銀総裁が、アンワル・イブラヒム前副首相兼蔵相に対する同情を公言したことに苦情を述べた。
首相はまた、米国は国際通貨取引における主要な役割を演じており、ヘッジ・ファンドに20倍、200倍の資金を提供しているのは米国の銀行であると指摘、6月に開かれるG7首脳会議が国際経済問題の解決に何ら有効な手を打てないとの見通しを示した。(ST,LZ:2/23)
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