1999-02-05 ArtNo.18118
◆<星>オン・ベンセン氏の日立タワー売却交渉大詰めに
【シンガポール】シンガポールの不動産実業家オン・ベンセン氏はラッフルズ・キーのヒタチ・タワーを平方フィート当たり1160Sドル、総額3億Sドルで売却する大詰めの交渉を進めている。
オン氏がヒタチ・タワーの売却を図っていることは、周知のことで、昨年4月にはヒタチ・タワーと隣接するカルテックス・ハウスをまとめて10億Sドル、従って平方フィート当たり2000Sドルで売却を試みたが、あまりの高値にほとんど引き合いはなかったと言われる。
市場筋は、今日の市況からすれば、平方フィート当たり1160Sドルなら売り手も満足できるはずとしている。また昨今の平方フィート当たり5.80Sドルのオフィス賃貸料を基準にすれば、平方フィート1160Sドルの買値なら6%の投資収益が見込め、これもオフィス市場の投資収益率が3~5%の現状からすれば、買い手にとっても妥当な線と言う。
しかし、オン氏はヒタチ・タワーとカルテックス・ハウスをセットにして売却を希望しているのに対して、買い手は永久所有権付きのヒタチ・タワーにのみ関心を示し、99年借地権付きのカルテックス・タワーには興味を示していないとされる。
しかしオン氏は、ヒタチ・タワーとカルテックス・ターワーの80%の権益を握るSavuインベストメントに50%出資しているに過ぎず、同氏の一存では決しかねるものと見られる。ヒタチ・タワーとカルテックス・ハウスの残りの20%の権益はシティバンクが握っている。またSavuはオン氏所有のリーフ・ホールディングズと興和不動産の対等出資会社。(LZ:2/4)
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