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1999-01-26 ArtNo.17998
◆<星>今年は昨年以上に厳しい年に:副首相
【シンガポール】リー・シエンロン副首相は24日催された与党人民行動党(PAP)党大会(隔年開催)の席上、インドネシアの政情不安やマレーシア経済の動向、さらには米国経済不振の可能性等を列挙し、今年は昨年以上に厳しい年になる可能性があると警鐘した。
それによると、ここ1、2ヶ月、株価は上昇、クリスマスやハリラヤを祝う国民情緒は明るさを取り戻している。先週、テオ・チーヒアン教育相がジュロン地区の住民と懇談した際も、話題は国内問題に集中、アジアを襲った経済危機が過去のものと見なされている兆候も窺われた。
しかし、実際には、シンガポールを取り巻く環境がそれほど改善した訳ではない。インドネシア経済の回復は政治問題により阻害されており、広大な群島国家の統一を維持する能力を備えた唯一の組織の軍さえ、その影響力を大幅に弱めている。このため今年6月の総選挙と11月の大統領選挙に向けて政治紛争が急激に昇級する恐れがある。
マレーシアではMドルは安定し、金利は下降したものの、大量の不良債権を抱えた銀行界は新規貸付に消極的で、流動性の逼迫は持続している。マレーシアとシンガポールの経済は密接に関係しており、隣国のリセッションはシンガポールにも打撃を及ぼす。
目下、マレーシアとの二国間関係は比較的安定しており、シンガポール政府はこうした状況をできるだけ持続するよう努める。しかし時として二国間関係に波乱が生じるのは避けられず、シンガポール政府は、その際は独自のペースで、できるだけ穏便に解決するよう努力する。
アナリストや投資家は、域内危機に対するシンガポール政府と国民の対応を高く評価しており、某欧州の銀行家は、同行がシンガポールにアジア財務センターを設けたのは、予想外の事態に対するシンガポール政府の慎重で適切な対応を評価したためと語った。
とは言え、今後のシンガポールに対する外国投資は域内経済動向の影響を受けざるを得ない。経済開発局(EDB)は今年の投資約定額はほぼ昨年並みの水準を維持できるが、その後数年間は、困難が予想されるとしている。投資家は域内経済の動向を配慮した上、シンガポールへの投資を見合わせる可能性がある。このためシンガポールとしてはこうした域内問題に圧倒されることなく、如何なる問題も適切に処理できることを内外に示す必要があると言う。(ST,BT,LZ:1/25)
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