1999-01-22 ArtNo.17968
◆<星>インダストリー21、ナリッジ・ベース経済に移行目指す
【シンガポール】経済開発局(EDB)は20日、向こう10年間にシンガポールをナリッジ・ベースの経済に転換する“インダストリー21”マスター・プランを発表した。
この日催された“インダストリー21”セミナーの会場でEDB幹部が明らかにしたところによると、インダストリー21の重点は、各経済領域における知識ベースの活動を促進することにより、高い付加価値を実現すること。インダストリー21マスタープランの下、知識ベースの製造業や輸出サービスが、10年内に国内総生産(GDP)の40%を占め、年間2万~2万5000人分の就業機会を創出するようになる。
EDBは、インダストリー21計画の下、電子、化学、エンジニアリング、通信/メディア、教育、保健、ライフサイエンス、本部/ビジネス・サービス、ロジスティクス、潜在性有る地元企業の10クラスターの振興に努める。
一方、向こう10年間に製造業領域で創出される就業機会の3分の2が知識/技術ベースとなり、輸出サービス領域ではその比率が4分の3に達する。全国労働組合会議(NTUC)書記長を務めるリム・ブンヘン無任所相によると、こうした労働者の教育と再訓練のために、シンガポールは今後5年間に年間20億Sドルを支出する必要がある。譬えポリテクニック(高専)卒業生であっても、その技術は日に日に陳腐化するため、再訓練を受ける必要がある。昨年はSRP(技能再開発計画)やCrest(クリティカル・イネーブリング・スキルズ・トレーニング)スキームの下、4億2000万Sドルが支出されたが、21世紀のビジョンを実現するには、不十分である。リム氏はSRPやCrestとは異なる新たなスキームを設けて同支出を行う可能性を示唆したが、資金のソースは明らかにしなかった。
他方、リー・ヨクスアン通産相によると、政府はマンパワー育成のための2つのスキームに、新たに7億5000万Sドルを投じる方針だ。先ずニュー・テクノロジー・グラント・スキームに5億Sドルが追加され、基金規模を8億Sドルに拡大する。
残りの2億5000万Sドルは目下基金規模7億5000万Sドルのイノベーション・デベロプメント・スキームに注入されると言う。(ST,BT,LZ:1/21)
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