SEAnews 1999-01-15 ArtNo.17911

【シンガポール】ジョージ・ヨー情報芸術相が13日催された第4回国際ＤＡＢシンポジウムの席上明らかにしたところによると、ラジオ・コーポレーション・オブ・シンガポール(RCS)は向こう6ヶ月以内にアジア初のデジタル・オーディオ放送(DAB)を商業ベースで開始する。
ＲＣＳのアントニー・チア社長によれば、同社はＤＡＢサービスの開発に向こう5年間に2100万Ｓドルを投じる。ＤＡＢは画像の送信や双方向のインターラクティブな放送が可能で、Ｅコマースにも応用できる他、移動中のタクシーの中でもＣＤクオリティーの放送を楽しめる。これに引き替え既存のＦＭシステムでは移動中の自動車の中等で高品質な音響効果を実現することはできない。
ＲＣＳは今月13日から12ステーション中の4ステーションを利用して限られた範囲のＤＡＢサービスを開始した。これら4ステーションとは、英語ミュージック・ステーションのクラス95、中国語ステーションのイエス93.3、英語ニュース／時事放送ステーションのニュース・ラジオ93.8、クラシック・ミュージック・ステーションのシンフォニー92.4で、その他の局も徐々にＤＡＢサービスを取り入れる。
ＲＣＳはこの日、陸運局(LTA)、Ｘプレス・マルチメディア、メディア・マネージャーと、それぞれＤＡＢサービスに関する覚書を交換した。ＬＴＡは交通情報のＤＡＢサービスを、Ｘプレス・マルチメディアはＤＡＢ対応のエレクトロニク・キオスクの据え付けを、メディア・マネージャーはパーソナル・コンピューター・ユーザー向けＤＡＢサービスを、それぞれ計画している。
シンガポール放送事業局(CBA)のリム・ホックチュアン局長によると、最終的にＤＡＢは全面的にＦＭ放送に取って代わるが、向こう5年間に実現することはない。とは言え6ヶ月以内にはBlaupunkt、クラリオン、ケンウッド、パイオニア等がシンガポールで続々ＤＡＢカー・ラジオを発売する予定で、当初は1500Ｓドルを超えそうだが、遠からず一般にも容易に購入できる手頃な値段になる見通しと言う。(BT:1/14)