SEAnews 1999-01-13 ArtNo.17878

【シンガポール】シンガポールの電力需要は、昨年半ば以来横這い状態が続いており、成長基調が回復する兆しは見られない。
シンガポール・パワー(SP)のバイ・タックハップ社長兼CEOによると、電力需要は月間ベースでほとんどゼロ成長状態が続いている。政府は当初昨年の電力需要の伸びを6～8％と予測したが、昨年8月ＳＰのホー・クオンピン会長は4～6％にとどまると語っていた。しかし政府は今では昨年の伸びが1.3％にとどまったと見ている。
ホー会長によると、仮に電子産業が今年復調するなら、電力需要も大きく回復するはずだが、そうした兆候はまだ見られない。電力需要の低迷に加え、今月から2年間の電力料割り戻しスキームがスタートしたため、ＳＰの今年の営業収入は激減する見通しと言う。今月から1ＫＷＨ当たりの割り戻しは通常の0.3Ｓセントから1.3Ｓセントに引き上げられた。ホー氏は具体的数字を示さなかったが、先頃政府は2年間の電力料カットの総額を7億2000万Ｓドルと見積もっていた。
需要低迷に関わらず、ＳＰは拡張投資を継続する計画で、新規プロジェクトには将来の大容量送電のための地下ケーブル・トンネルの建設や230ＫＶから22ＫＶへの直流変圧システムの導入が含まれる。
インドネシアの国営石油会社プルタミナとの南スマトラ産天然ガスの購入交渉は順調に進捗しており、ＳＰとしては交渉の早期妥結を目指す。しかしホー会長は今年3月末までに同交渉が妥結するとの報道に関して、コメントを控えた。(ST,BT,LZ:1/12)