1999-01-05 ArtNo.17800
◆<印度>MUL、値下げで旧価格予約分にキャンセルも
【ニューデリー】Maruti Udyog Ltd(MUL)は先月30日に今月12日から導入される新価格を発表したが、旧価格での予約、取り分け800CCモデルの予約が大量キャンセルされる可能性が生じている。
新価格発表後MULディーラーにはブッキングや引渡しスケジュールへの影響に関する問い合わせが殺到、多くの顧客が新価格の恩恵が受けられぬなら注文をキャンセルすると警告を発している。
こうした中でデリーのディーラーらはMaruti800の旧価格と新価格の格差2万5000ルピーを顧客とシェアすることを提案、防戦に努めている。同提案の下、Maruti800のバイヤーは7000ルピー相当の金貨が進呈される他に、残る1万8000ルピーの差額をディラーとシェアすることになる。例えば一部のディーラーはカー・ローンの利子を5000ルピーほど軽減することを提案している。
とは言え、新価格による新規注文も増加しており、取り分け800やZenに対する関心が高まっている。だがオミニEに関しては、新価格の導入で国内最低価格の4輪駆動車モデルになったにも関わらず、バイヤーの関心をほとんど引いていない。
一方、ディーラーらはエスティームとジプシーのディスカウントが行われなかったことに不満を抱いている。エスティームはホンダ・シティーとの競争の脅威に晒され、ガソリン・バージョンのジプシーは燃費の点で守勢に立たされている。このため競争力を補強する上からも値下げが必要とされている。
他方、新価格のMaruti800はディーゼル・バージョンをもたぬにも関わらず、タクシー市場に進出する潜在性を高めたと言える。しかし同市場ではタタのインディカが強力なプレーヤーになる見通しで、またフィアットのUnoもムンバイのタクシー市場に既に浸透しつつある。こうしたことからこれまでプレミア・オートモービルズLtd(PAL)のPadminiとヒンドスタン・モーターズLtd(HML)のアンバッサダーに支配されてきたタクシー車市場が様変わりする可能性が生じていると言う。(IE:1/1)
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