SEAnews 1995-05-30 ArtNo.1780

【シンガポール】シンガポールのＣＤ－ＲＯＭドライブ・メーカーは、部品不足から急増する4倍速ドライブ需要に応じるられず、深刻な打撃を受けている。
コンピュータ・ゲームやマルチメディア・ソフトウェアーを駆動させる主要装置のＣＤ－ＲＯＭドライブは今や4倍速時代を迎えているが、月間6万～9万ユニットを製造している地元のアズテク、オプティクス・ストーリッジ、ウェンズ・パリファラルズ・インターナショナル等は、部品供給が得られぬため、依然低マージンの2倍速ドライブの製造に甘んじている。これに対して月間50万～100万ユニットを製造する日系メーカーらは僅か3％のマージンの2倍速ドライブの製造を中止し、20％以上のマージンを享受できる4倍速ドライブの製造に集中していると言う。2年前に同市場に進出し、昨年下半期の大幅値下げで打撃を受けた地元メーカーらはハイ・マージンの4倍速ドライブに期待を掛けたが、こうした期待は空振りに終わりそうだ。アズテクは4倍速ドライブの新規注文を受けるのをストップした模様で、クリエイティブ・テクノロジーは割り当て制を導入して急場をしのいでいる。マルチメディア・アップグレード・キットとセットにして月間20万ユニットの4倍速ドライブを販売するクリエイティブ・テクノロジーは内2万ユニットを社内で生産、残りは日系企業から供給を受けている。シム・ウォンフー会長は十分なドライブの供給が得られなかったことが、今年3月末締め四半期純益が60％下降した原因の1つとしている。同期には僅か25～35％の受注に応じられただけで、繰り越し注文が急増したと言う。(BT:5/29)