1999-01-05 ArtNo.17788
◆<星>昨年11月の製造業成長率-3.3%、下降速度鈍化
【シンガポール】シンガポールの製造業生産は昨年11月も7ヶ月連続のマイナス成長を記録したものの、3.3%と小幅な落ち込みにとどまり、電子部門は0.4%のプラス成長を回復した。
経済開発局(EDB)の発表によれば、年初11ヶ月の製造業生産は0.8%ダウン、同期の電子業生産も2.8%のマイナス成長を記録した。
11月の製造業生産の落ち込みを、3ヶ月移動平均で見ると、-3.8%と、10月の-4.8%に比べ改善している。電子業生産の落ち込みも-2.1%と、10月の-4.9%から改善が見られる。
電子産業の改善は米国、欧州方面の需要増に伴うコンピューター、コンピューター周辺機器、プリント基板アセンブリー(PCBA)、通信機器の生産拡大に伴うもの。しかしながら、これらの部門の生産拡大は、ディスク・ドライブ(HDD)や半導体生産の落ち込みにより相殺された。
化学部門の成長は10月の5.1%から8.5%に加速した。石油精製部門の成長も9月の-27%、10月の-17%から-6%に改善している。極めて変動性に富む製薬業の生産実績は、海外需要の増加に支えられ、58%の成長を遂げた。製薬業は3ヶ月移動平均で見ると、9月の100%、10月の75%に続き88%の成長を見た。石油化学生産は一部施設の保守や価格の軟化で、2.7%の下降を見た。
工学部門は10月の-6.8%を上回る10%の落ち込みが記録された。電子部門と密接な関係を有する精密工学は、金属及びプラスチック精密部品の需要減で、16%ダウン。海事部門と航空工業部門の不振で運輸機器部門の成長もマイナス7%が記録された。しかしプロセス・エンジニアリング部門の生産は、プロセス制御機器の需要に牽引され、15.8%の成長を見た。
一部のエコノミストは生産の絶対量が拡大していることから、第4四半期の成長実績は第3四半期を上回ったものと予想している。(ST,BT,LZ:12/29)
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