1999-01-05 ArtNo.17787
◆<星>昨年のGDP成長予想外に好調な+1.3%マーク:首相
【シンガポール】ゴー・チョクトン首相は晦日に発表した年頭メッセージの中で、シンガポールの昨年の国内総生産(GDP)成長率が予想外に力強い1.3%のプラス成長を記録したことを明らかにする一方、新年の見通しは極めて不透明であると警鐘した。
昨年第4四半期のGDP成長率は、前年同期比1.5%、前四半期比1.9%、それぞれ落ち込みを見たものの、通年の成長率は依然として1.3%のプラス成長が保たれた。これは厳しい外的環境を配慮したなら、決して悪くない成績と言える。同成長率は一昨年の7.8%を遙かに下回るものの、政府の予測値0.5~1%を上回った。
しかし新年の見通しを極めて不確実で、政府は一応、-1%~+1%と予想しているが、一層大幅なマイナス成長の可能性も否定できない。電子製品に対する値下げ圧力は依然強く、米国経済の成長が鈍化する恐れもある。政府のビジネス・コスト削減措置によりシンガポール経済の競争力はアップしたものの、輸出を拡大するのは非常に難しいと言う。
昨年第4四半期には、第3四半期の-0.7%に続き、1.5%のマイナス成長が記録され、シンガポール経済は連続2四半期のマイナス成長をマーク、技術定義上のリセッションに陥った。エコノミストらは今年通年の成長率は+0.3%にとどまり、失業率は6~7%に達すると予想している。失業率は昨年9月時点で4.5%をマークしていた。
ゴー氏によれば、シンガポール経済の先行きは、域内の経済動向や政治状況に依存しており、隣国の社会的動乱/政情不安/非合法移民の増大等は直ちに国内経済のパフォーマンスに影響を及ぼす。
しかしシンガポールが採用する自由市場経済政策、域内経済危機に対する合理的対応措置やコスト削減措置は国際的に高い評価を得ており、特に非常時における国民的コンセンサス形成能力は、優良投資地としての評価につながっている。シンガポールは国民の技術向上のために投資を続けており、国際投資家の信頼は益々高まっている。こうしたことから国民は危機乗り切りのために、一層団結すべきだと言う。(ST,BT,LZ:12/1)
|