SEAnews 1998-12-21 ArtNo.17727

【シンガポール】エクソン・コープは18日、シンガポールのジュロン島における20億米ドルの石油化学プロジェクトを予定通り実行すると発表、モービル・コープとの合併に伴いプロジェクトが中止されるのではないかとの巷間の噂に終止符を打った。
経済開発局(EDB)が主催した記者会見の席上、エクソン・ケミカル・シンガポールのWarwick Bisley社長が語ったところによると、同社にとってアジア太平洋地域における最大のプロジェクトになる年産80万トンのスチーム・クラッカーの建設は、2000年第4半期に完成、エチレン、プロピレン、その他の石油化学原料が生産される。製品の60％はエクソン自身の下流部門工場に供給され、下流部門工場では、ポリエチレンが年間48万トン、ポリプロピレンが同27万5000トン、オキソ・アルコールが同15万トン製造される。しかしBisley社長は残りの40％の供給先に関してコメントを控えた。
エクソンのコンプレックスには、この他155ＭＷ(ﾒｶﾞﾜｯﾄ)発電所が設けられ、石化コンプレックスと隣接するエッソ・シンガポールの日産23万バレルの製油所の電力需要に応じる。同製油所は石化コンプレックスに原料を供給する。
ＥＤＢのフィリップ・ヨー会長によると、コンプレックスの稼働時に500人の技術／専門職の就業機会が創出される他、建設工事期間には1万人以上の労働者が必要とされる。これによりジュロン島における投資プロジェクトの総額は60億Ｓドルに達し、シンガポール化学産業の基盤は大幅に強化される。しかしエクソンもＥＤＢもモービルの14億米ドルの石油化学プロジェクトが依然として実行されるのか否かに関してコメントを控えた。(ST,BT,LZ,IE:12/19)