1998-12-18 ArtNo.17696
◆<星>ASEAN首脳、経済危機打開策盛り込んだ共同声明発表
【ハノイ】ASEAN諸国首脳は16日、直面する経済危機を打開するため、ASEAN自由貿易地域(AFTA)の繰り上げ実施や来年から2年間に思い切った優遇措置を設けて外国直接投資を加速すること等の内容を盛り込んだ共同声明を発表した。
先ずブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイは2002年までに関税を0~5%に引き下げ、AFTA(当初目標期限は2003年)の早期実現を図る。ベトナムは2003年、ラオスとミャンマーも2005年までにAFTAに参加する。ASEAN中核メンバー6カ国は2000年までに少なくとも90%の品目の関税を0~5%に引き下げる。9カ国はまたいわゆるセンシティブ商品に対する保護撤廃とゼロ関税をできるだけ早く実現することで合意した。
明年から2年間(1999年1月1日~2000年12月31日)にASEAN諸国で承認された外国投資家の製造業プロジェクトには、外資の100%出資、3年間の法人税免除もしくは少なくとも30%の投資税額補助、資本財に対する輸入税免除、国内市場への自由アクセス、少なくとも30年間の工業用地リース、外国人管理職/技術職の雇用、スピーディーな通関処理が認められる。
インドネシアは製造業にとどまらず小売/卸売り業も、フィリピンは一部のサービス業も外資に100%開放する。これまでブミプトラの30%権益確保を義務づけてきたマレーシアも同期間は外資の100%出資を認め、タイは国内に設けられた差別的投資ゾーンを撤廃し、国内の全ての地区を外国投資家に開放する。シンガポールは競争力委員会により提案されたビジネス・コスト削減策の他、工業プロジェクト、製造/工学/技術的サービス/コンピューター関連サービス領域に30%の投資税額補助を認める。
ASEANの中核メンバー6カ国とミャンマーは、ASEAN投資地域(AIA)協定の下、当初目標の2010年ではなく、2003年までに、除外領域を段階的に撤廃する。ベトナムとラオスは当初の2013年と2015年の目標期限を共に2010年に繰り上げ、AIAに参加する。AIAは域内諸国の投資家が域内のどこにでも自由に投資することを認めるもの。
ASEAN首脳はまた昨年合意された7領域(金融/観光/建設/海運/空輸/通信/ビジネス・サービス)を越えてサービス取引の一層の自由化を図ることで合意、具体的詰めが近く開始される。
この他、ASEAN工業協力スキーム下の30%の地元出資率条項も撤廃することで意見の一致を見た。(ST,BT,LZ:12/17)
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