SEAnews 1998-12-12 ArtNo.17626

【クアラルンプル】国際信用格付け機関からほとんどジャンク・ボンドに近いソブリン格付けを受けたマレーシアは、日本政府の支援下にユーロ・ボンド市場で666億円を起債した。
野村証券が10日発表したところによれば、この日、クリス(ｹｲﾏﾝ･ｱｲﾗﾝﾄﾞ)ワンLtdは償還期限2004年1月13日、クーポン・レート1.5％、総額666億円(M$21.66億)のユーロ円証券を発行した。
クリス(ｹｲﾏﾝ･ｱｲﾗﾝﾄﾞ)ワンは、新宮沢イニシアチブ、即ち日本政府の300億米ドル・アジア危機支援パッケージを利用するために設けられた専門会社で、ムーディーにより、Ａａａの格付けがなされている。証券売却により得られた資金は住友銀行のオフショア口座に積み立てられる。これを受けて住友銀行はクリス(ｹｲﾏﾝ･ｱｲﾗﾝﾄﾞ)ツーLtdに相応額を貸与、後者は同資金をマレーシア政府に貸し付けるが、その際、日本通産省が保証を提供すると言うもの。香港のバークレイ・キャピタル・アジアのアナリストによれば、これは実質的に日本政府がマレーシア政府に資金を貸し付けたものと見なされると言う。(NST,BT:12/11)