1998-12-10 ArtNo.17600
◆<馬>高裁、検察側主要証人に対する弾劾申請を許可:アンワル公判
【クアラルンプル】アンワル前副首相の職権濫用を巡る公判で、マレーシア高裁のオーガスチン・ポール判事は、被告側弁護団から提出された検察側主要証人に対する弾劾申請を認めた。
これにより公判過程における新たな公判が行われることになり、被告側弁護団は、検察側証人を務めるアジザン・アブ・バカル氏(アンワル夫人の元運転手)の証言が信頼できないことを立証、今公判における4件の起訴案件中の2件を無効にすることを目指している。
しかし、弾劾の中心になるのは、証人が月曜の公判審理の際に行った「未だかつてアンワル氏から獣姦されたことは無い」とする新証言を巡るものではなく、今年8月10日に証人が署名した法廷宣誓書の内容に関するものと言う。同宣誓書の中で証人は『アンワルが首相になれない50の理由』と題する書の内容は全く事実に反し、捏造されたものと述べていた。しかし、証人はこの日、同宣誓書はアンワル氏の2人の部下により強制され、仕方なく署名したものと語った。
華字紙によるとこの日の公判過程で、ポール判事は被告側のグルバチャン・シン弁護士に再三にわたり、いつ弾劾手続きを採るのかと質した上、弾劾は8月10日の法廷宣誓書の内容に限定されるべきであると指摘した。このためグルバチャン・シン弁護士は午後の休憩時間に他の弁護士と相談の上、弾劾手続きを採った。弁護団の1人が華字紙に語ったところによると、当初はより多くの証拠を手にした上で弾劾手続きを採るはずだったと言う。
しかし英字紙によると、ポール判事は、「現時点で証人を弾劾することは、弾劾関係法の手続きに基づくものでもなく、少なからぬ混乱を招来するが、被告に自分自身を弁護するあらゆる機会を提供するために、弾劾申請を承認する」と語ったと言う。(ST,LZ:12/10)
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