1998-12-08 ArtNo.17563
◆<星>アジアNIESと他のアジア諸国の給与格差が拡大
【シンガポール】アジアを襲った経済危機に伴い、ローカル通貨の対米ドル相場が下降、インフレも進行する中で、アジアの新興経済体(NIES)の香港/韓国/台湾/シンガポールと、他のアジア諸国の給与格差が拡大している。
コーポレート・リソーシズ・グループ(CRG)の最近の調査によれば、1時間当たりの給与を米ドル・ベース見ると、労働者/専門職/管理職のいずれのカテゴリーでも香港がトップに立ち、以下韓国、台湾、シンガポールの順となっている。そしてシンガポールの給与水準の半ば程度の中国が5位に付けている。
一方、その他のアジア諸国では、ローカル通貨の値下がりと、物価の高騰で、実質賃金が下降している。例えばインドネシアでは昨年サラリーは17.4%上昇したものの、85%のインフレが、その効果を無効にした。
実質賃金の上昇率(名目上昇率-インフレ率)は、中国の場合1998年の10.9%から来年は5.6%に鈍化、香港では3%、マレーシア/タイ/インドネシアでは-5%が予想されている。シンガポールの来年の賃金上昇率は2%と見込まれているが、同数字には最近のビジネス・コスト削減策は織り込まれていない。(BT:12/7)
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