SEAnews 1998-12-07 ArtNo.17554

【クアラルンプル】マレーシア上訴廷は4日、弁護士協会のメンバー200人以上が、廷外で「正義回復」のシュプレヒコールを行う中で、法廷侮辱罪で3カ月の禁固刑を判決されたアンワル前副首相の弁護士ザイヌル・ザカリア氏に対して、上訴廷における判決が下るまで刑の執行猶予を認めた。
ザイヌル弁護士は、アンワル氏の職権濫用に関わる公判審理の過程で、2人の検察官の交替を求めるアンワル氏の法廷申請を行ったが、高裁のオーガスチン・ポール判事は、同申請は法廷秩序を乱すものであるとして、ザイヌル氏に法廷と検察官に対して謝罪を求めた。ザイヌル氏が謝罪を拒絶すると、判事は直ちに法廷侮辱罪を宣告した。
ザイヌル弁護士の11人の弁護団の一員、ラジャ・アジズ弁護士は、上訴廷の席上、高裁判決は極めて異常で不適切なものと強調した。それによると高裁判事は、検察官交替申請の内容も聴取せず、またザカリア氏が如何なる訴状に直面しいるかも説明せず、いきなり法廷侮辱罪を判決した。アンワル氏は検察官交替申請の中で、これらの検察官は、銃弾の不法所持で起訴されたアンワル氏の友人Nallakaruppan Solaimalai氏に、アンワル氏のセックス・スキャンダルを認めるなら刑を軽減するとオファーしたと主張している。
上訴廷は上訴公判審理の期日を明らかにしなかったが、ザイヌル氏(49)はこれで、アンワル氏の弁護を続けられると、喜びを表明した。
一方、この日のアンワル氏公判で、被告側弁護士は、検察側証人のアジザン・アブ・バカル氏が、アンワル氏から獣姦されたとの主張を5年も経過した後に持ち出したのは、金と地位と職を提供されたからである主張、証人は複数の企業の重役を兼務し、ベンツを所有していると指摘した。しかしアジザン氏は自分の名義でも他人の名義でもベンツは所有しておらず、5年間沈黙していたのは、首相に直訴するつてを持たなかったためであると反論した。(ST,BT,LZ:12/5)