1998-12-07 ArtNo.17548
◆<星>貿易開発局、振興市場や通貨統合後の欧州市場開拓に注力
【シンガポール】貿易開発局(EDB)は域内市場が経済危機の打撃から立ち直り切れない中で、中国、インド、中東、ラテンアメリカ等の振興市場の開拓に努めるとともに、通貨統合後の欧州市場開拓にも力を入れる。
TDBのゴー・オントン国際業務部長が4日記者会見したところによると、アジアの経済危機の影響でシンガポールの往復貿易は今年は4.5~5.5%のマイナス成長に陥る見通しだが、中国やインド市場は、様々な領域における自由化や市場開放が進んでおり、成長し続けている。
中国市場についてはTDBは、地元企業の建設/不動産等のサービス部門へのアクセスを支援する。来年は28フェア/ミッションを組織して、ラテンアメリカの繊維市場、中東の建設市場等、振興地域のビジネス機会を開拓する。最近アフリカに派遣されたミッションに参加した地元企業は、直ちに400万Sドル相当の契約を獲得している。
とは言え伝統市場を無視する訳ではなく、米国/欧州についても33フェア/ミッションが予定されている。欧米市場との貿易は来年も今年と同レベルの成長が見込まれる。通貨統合後の欧州の競争は益々熾烈化し、効率もアップする見通しで、外部のものは若干不利になるが、格段に大きな単一市場が誕生する。シンガポール企業のユーロに対する準備態勢は極めて疑わしいことから、TDBは来年第2回ユーロ・セミナーを開催、地元企業の啓蒙に努めると言う。(ST,BT:12/5)
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