SEAnews 1998-12-05 ArtNo.17532

【シンガポール】東南アジアの情報技術(IT)市場は、今年深刻な落ち込みを記録したが、来年は回復に転じる見通しだ。
米国拠点の市場調査会社ガートナー・グループのアナリストは、来年市況は回復に転じるが、大幅な落ち込みを見た後の成長であることを認識する必要があると指摘した。過去1年東南アジアの4つのカテゴリーのＩＴ販売末端価格は、いずれも大幅な下降を見た。サーバー販売は45％減の5億100万米ドル、ＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)販売は36％減の18億米ドル、プリンター販売は52.6％減の2億5100万米ドル、ＩＴサービス販売は7％減の9億6200万米ドルだった。
来年から2002年にかけては、4カテゴリーの販売額が揃って上昇基調を回復するが、成長率は、ガートナーが当初予想した半分にとどまり、またマレーシアの経済政策やインドネシアの政治的安定度も影響する見通しだ。
経済危機下の落ち込みが極めて大きかったことから、東南アジアのサーバー市場とプリンター市場は2002年になっても1997年のレベルに達しない。しかし2002年のＩＴサービスとＰＣの市場規模は1997年レベルを上回るものと見られる。
マレーシア、シンガポール、タイ、フィリピン通貨の対米ドル・レートの予想される強化が来年のＩＴ市場回復の主因だが、インドネシアにおけるＩＴ支出は来年も引き続き下降する見通しと言う。(BT:12/4)