1998-11-30 ArtNo.17457
◆<星>経済危機下にも労働者の士気高揚、香港急降下、台湾改善
【シンガポール】シンガポールの労働者は経済危機下にも、高い士気を維持しており、それに引き替え香港労働者の士気は顕著な落ち込みを見た。
インターナショナル・サーベイ・リサーチ(ISR)は最近の調査結果を踏まえて、以上のコメントを行っている。ISRが昨年7月の金融危機発生後、シンガポール拠点の大手企業135社の労働者1万9000人を対象に調査したところ、シンガポール労働者の士気は、ほとんど一年前と変化していなかった。
調査では企業福祉、昇進、満足感、安全感、企業管理等、15項目対する労働者の意識が調査されている。シンガポールにおける調査結果では、15項目中、前回調査に比べ顕著な後退が見られたのは、僅か1項目にとどまったのに対し、香港の調査では15項目中12項目に顕著な後退が見られた。このことは経済危機や中国復帰問題等で香港労働者の士気が深刻な打撃を受けたことを物語っている。
例えば企業の前途に特に不安を抱いていないと回答したものは、シンガポールでは前回調査に比べ6%ポイント下降したものの、依然57%と、過半数を維持した。シンガポール労働者のこうした態度には、管理層に対する信頼が反映されている。
また前回調査を3%ポイント上回る55%の者が、十分な昇進の機会が存在すると回答、72%の者が、個人的な成功感を得ている。この他、労使関係が良好と答えたものは前回調査の62%から59%に下降、管理層の人事は公平と回答した者は前回を3%ポイント下回る53%、だった。シンガポール以外では台湾における調査結果が過去数年改善の一途を辿っていると言う。(BT,LZ:11/27)
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