1998-11-18 ArtNo.17322
◆<馬>政府、米国副大統領談話を非難
【クアラルンプル】マレーシア政府は17日、米国のアルバート・ゴア副大統領が前日に行ったスピーチは違法なデモンストレーターに合法的な民選政府の転覆を示嗾するものであると厳しく非難、今後マレーシアに騒乱が生じたならその責任は米国政府が負わねばならないと声明した。
アブドラ・バダウィ外相は同声明の中で、ゴア副大統領の発言はマレーシアの内政に干渉し、マレーシア国内の平和を乱す無責任なものであり、民主の名を借り偏狭な政治目的の達成を目指すものと糾弾している。
クリントン大統領の名代として17、18日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)サミットに出席するためマレーシアを訪れたゴア副大統領は、16日に催された晩餐会の席上、アジア経済危機に対する米国政府の50億米ドルの支援措置を発表するとともに、アンワル前副首相の支持者らの改革運動を賞賛、一部の者は経済危機を克服するためには独裁も許されると主張するが、民主制度こそ効率的な経済の再建を保証するものであり、改革は不可欠であると指摘した。
マスコミのインタビューに応じたマハティール首相はゴア副大統領の以上の発言に対するコメントを控えたが、会場のビジネスマンらと懇談した際、「未だかつてこんな無礼な男には会ったことがない」と語った。
ラフィダ通産相は記者の質問に対して「吐き気をもよおす演説で、サミットのスタート前に会議をぶち壊したに等しい」と不満を述べた。記者が米国の50億米ドル支援計画に関して質問すると、同相は「5セントの値打ちもない」と語った。
その後マスコミのインタビューを受けたゴア副大統領は、「自分がこの場に来たのは、こうしたメッセージを伝えるのが目的であり、民主と自由はAPECの協力を推進する先決条件である」と強調した。(ST,LZ:11/17,18)
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