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1998-11-18 ArtNo.17318
◆<星>首相、APECメンバーに経済問題への集中訴え
【クアラルンプル】マレーシアのアンワル前副首相の解任を巡る米国とマレーシアの外交摩擦が高まる中で、シンガポールのゴー・チョクトン首相を含む複数のリーダーは、アジア太平洋経済協力会議(APEC)サミットの他のメンバーに経済議案への集中を訴えた。
マレーシアのマハティール首相は、過去6回のAPECサミットの中で最も困難な会議を主宰することになった。マハティール首相はシアトルにおける第1回会議をボイコットした前歴があるが、奇しくも当時シアトル会議のホストを務めた米国のクリントン大統領が、今回はイラクの武器査察問題を理由に欠席した。
今回のサミットの最大の課題は、アジア通貨危機に対する具体的指針を打ち出すことだが、マレーシアは通貨投機家がアジアの経済危機を引き起こした首魁であるとし、ヘッジ・ファンドの規制を求めている。しかしマレーシアが採用した通貨統制を支持するものは決して多くない。
この点に関して各国首脳と意見を交換したゴー首相によると、通貨レートを不安定にし、経済に打撃を与えるホット・マネーにある種の規制を加えるべきだと言うコンセンサスが形成されつつ有る。ホット・マネーの規制は決して容易ではないが、何らかの措置を講じ、流れを穏やかなレベルに維持すべきだとの共通の認識が醸成されつつある。
日米両国の100億米ドルのアジア経済危機支援イニシアチブに関して香港特別区の董建華長官は、「確かにそれは重要なことだが、アジア経済回復の鍵は日本自体が国内経済を再建することである」と指摘した。
またゴー首相も、「日米のイニシアチブは良いことだが、他にも重要な問題が存在する。例えば経済活動を再開させるには、民間資金を活性化させる必要がある」と語った。 いずれにしてもAPECリーダーらは、一様に「日米の100億米ドルのイニシアチブだけでは不十分で、さらに多くのなすべきことが存在する」との見方を示している。
ゴー首相は、また金融危機で打撃を受けた経済全体の自信を回復させると言う点からすれば、日米のイニシアチブは重要な契機と言えると指摘した。(ST:11/18)
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