1998-11-17 ArtNo.17304
◆<星>インテル、アジア投資を15%カット、日本の動向に懸念
【サンタクララ】インテル・コープのCraig Barrett社長兼CEOは15日、今年度のアジア投資は15%削減されたものの、同社のアジアに対する関心が薄れた訳ではないと強調した。
インテルは当初、50億米ドルの1998年度投資予算の内10億米ドルをアジアに振り向けていた。バレット社長によると、アジア投資の削減は、今年度の投資予算そのものが50億米ドルから43億米ドルに下方修正されたのに伴うもので、アジア太平洋地域のシェアはこれまでと変わっていない。今年初9ヶ月のコンピューター市場の成長は一般に予想された数字を若干した回ったため、同社も投資計画を下方修正したと言う。
この日の記者会にはアンディ・グローブ会長も出席、急速に成長するデジタル・ワールドにおいて他の国際プレーヤーと提携する方針が確認された。特にアジアはインテルが重点開発を目指すトップ成長市場で、向こう3~5年のアジアの情報技術(IT)市場の動向にも同社は楽観的見通しを示した。同社は譬え市況が下降局面にあってもアジアへの投資は継続すると言う。
インテルは先週予想外に好調な第4四半期の業績を発表したが、投資縮小の方針に変わりはない。しかし同社が最も成長の潜在性を有する地域と見ているアジア、ラテン・アメリカ、東欧への投資は多少拡大される。これらの地域の優良な中小企業に出資し、国際舞台を踏ませるのが狙いで、関係ベンチャー・キャピタル投資の半ばは1年内に実行される。現在は米国以外におけるこの種の投資の絶好の機会と考えられる。
インテルのベンチャー・キャピタル・ビジネスは急成長を遂げており、昨年同社は110社に3億3000万米ドルを投じた。これらは同社の主要な企業買収やエクイティー投資とは、別のもので、今後も引き続き拡大される。
インテルが関心を抱く分野の1つ、インターネットに関しては、シンガポールの広帯域ネットワーク“シンガポール・ワン”に注目している。
主要な懸念材料は日本経済の動向で、もし日本の消費者がマイナス金利の公債を購入するようなら、先行きは暗澹としたものになると言う。(BT:11/16)
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