1998-11-14 ArtNo.17281
◆<馬>アンワル氏、憲法違反でマハティール首相を告訴
【クアラルンプル】アンワル前副首相は12日、同氏を副首相兼蔵相のポストから罷免したマハティール首相の行為は違憲であるとし、首相とマレーシア政府を相手取った訴えを高裁に提出した。
アンワル氏の今回の訴訟の代表弁護士を務める野党民主行動党(DAP)のカパール・シン副議長がこの日高裁に提出した訴状によれば、マレーシア憲法の下、国王は首相の勧告に基づき閣僚を任免する権限を有し、首相は閣僚任免権を有しない。
この点からすれば、1995年4月の総選挙後に国王により副首相兼蔵相に任命された原告は依然として合法的な閣僚である。
第1被告(首相)は1998年9月2日憲法第43条5項の規定に反して原告を副首相と蔵相のポストから解任した。この日発表された総理府の公報も同解任は1998年9月2日5時30分をもって発効したと述べている。また被告は国会において原告の解任を国王に報告したが、反対されなかったと答弁している。
カパール・シン弁護士は、この点について法廷外で記者団に対して、閣僚の解任は国王の権限であり、首相はが解任後国王に報告することはできないと説明した。
一方、アンワル氏は夫人を通じて発表した声明の中で、自分が訴訟を起こしたのは、国民に法に従うことを強制する首相が、自分自身は国家の最高法規である憲法に違反し、立憲君主制度を蔑ろにしていることを立証することにあり、決してマハティール首相に率いられる政府の閣僚への復帰を図る訳ではないとしている。(ST,LZ:11/14)
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