1998-11-13 ArtNo.17255
◆<星>競争力委員会、ビジネス・コストS$100億削減策提案
【シンガポール】シンガポール競争力委員会(CSC)は11日、中央積立基金(CPF)雇用主負担率の10%ポイント引き下げを骨子とする年間100億Sドルのビジネス・コスト削減策を提案した。100億Sドル削減の70%がCPF雇用主負担率の引き下げを含む労働コストのカットにより実現されるが、それ以外のコスト削減策に関しては、カットされる具体的な額は示されていない。
CSC議長を務めるリー・ヨクスアン通産相によると、CSC提案の核心は賃金コストの15%カットで、CPF雇用主負担率の10%ポイント引き下げだけで、40億Sドル、賃金コストの8.3%がセーブできる。残りの6.7%は他の賃金部分からカットされ、合計年間70億Sドルの賃金コスト削減が目指される。
製造業のビジネス・コストの49%は賃金で占められることから、賃金カットは避けられない。15%のカットによりシンガポールの単位労働コストは1994年のレベルに戻る。
残りの30%、年間30億Sドルのコスト削減は税や公共料金の引き下げにより実現される。例えば製造業/サービス業領域における外人労働者税の50~100Sドル・カット、ジュロン・タウン公社(JTC)/住宅開発局(HDB)の賃貸料カットが含まれる。電気料、通信料、港湾料金等のカットは、シンガポール・パワーやシンガポール・テレコムの決定に委ねられるが、政府はこれらの企業に最善を尽くすよう勧告する。
今年6月に政府が発表した20億Sドルの予算外景気刺激措置を含めれば、政府は今年だけで50億Sドルの歳入減を甘受せねばならない。
しかしコストをカットしただけでは不十分で、政府各部門はシンガポールの対外販促に努め、またインフラ開発を加速し、需要創出を図ると言う。
CSCのコスト削減案はシンガポールの国内総生産(GDP)の7%に相当するが、CSC副議長を務めるジョージ・ヨー情報芸術相兼第2通産相は、記者会見の席上、100億Sドルのカットは決して最後のものではなく、効果が上がらないなら、一層の対策が講じられると補足した。シンガポール国会は今月23日と24日にCSCの提案を審理する。(ST,BT,LZ:11/12)
|