1998-11-11 ArtNo.17225
◆<星>金融管理局、資本市場改革案を全面的に承認
【シンガポール】シンガポール金融管理局(MAS)は金融制度見直し委員会傘下の企業金融部会により提出された、シンガポールの資本市場をメリット・ベースのシステムから開示ベースのシステムに転換することを骨子とする38項目の提案をほぼ全面的に受け入れた。
MASによれば、シンガポール証取(SES)が経営内容にまで立ち入って企業の資金調達を許可したり、棄却したりする従来の方式は、投資家の利益保護を重視したものとは言え、効率的とは言い難い。これに引き替え開示ベースのシステムは必要な情報の全面的公表を企業に義務づけ、投資家自身の判断に委ねるもので、より柔軟で効率的制度と言える。
新システムの下、SESはメリットやリスクと言った観点を離れて上場規則に基づいて申請を処理、証券市場振興機関的役割を担う。これに伴いSES、MAS、証券業委員会(SIC)、会社事業登録局(RCB)、大蔵省商事調査局(CAD)等の監督機能を統合したスーパー・レギュレーターがMASの傘下に設けられる。同機関は規則違反、例えばインサイダー取引等の行為に対処する強力な法的執行権を付与される。また上場規則等にも法律と同様なあるいはそれに準じたステータスが付与される。
既に米国や英国の資本市場は開示ベースのシステムに転換しており、シンガポール資本市場も今後はこうした国際市場に伍して、世界の企業金融ハブを目指すと言う。(ST,BT,LZ:11/10)
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