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1998-11-10 ArtNo.17214
◆<星>アジア業務の縮小は不可避:IBM財務担当重役
【シンガポール】アジアの通貨危機、取り分け円安がIBMの第3四半期アジア太平洋地域売上を16%下降させた。しかしIBMは依然としてライバルを上回る実績を達成、市場シェアも拡大している。
去る5月にIBMの財務担当重役(CFO)に就任したダグラス・メイン上級副社長が先週シンガポールを訪れ、語ったところによれば、円安は同社の業績に深刻な衝撃を与えたが、固定価格(1992年基準)で見ると、売上の下降は2%に過ぎず、極めて良好である。しかも市場シェアは3~4%ポイント・アップしている。こうした数字は景気不振の折りには、業績測定の有効な目安になる。
通貨レートの変動が第1の関心事とすれば、第2の懸念材料はアジア諸国の情報技術(IT)支出が下降していること。昨年の世界のIT支出は1兆米ドル前後で、今年は8~9%、来年はさらに9~10%の成長が見込まれている。ITはまた全世界のGDP成長の20%に貢献しており、これは極めて大きな数字である。米国はGDPの4%を、欧州は3%をITに投資しているが、アジアでは2%を下回る。シンガポールに限ってはGDPの2.9%がITに投じられ、このことはシンガポールの将来の発展を約束しているが、それにしても米国や欧州には及ばない。
IBMはアジアで依然としてシェアを拡大しているものの、売上は下降しており、経済危機の深刻な影響を被っている。こうした点から、アジア業務のスケール・ダウンは避けられない。しかしIBMは解雇は計画しておらず、余剰スタッフを他の地域に再配置し、最適化を図ると言う。(BT:11/9)
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