1998-11-09 ArtNo.17195
◆<星>アジア危機で早くも低成長時代に突入:副首相
【シンガポール】アジア経済危機の結果、シンガポールは予想以上に早く低成長時代に突入、こうした変化への対応がシンガポールの未来に向けての主要な挑戦になっている。
リー・シエンロン副首相が6日催された政策研究所(IPS)の10周年記念出版物“リエンジニアリング・サクセス”の発表会の席上語ったところによると、その実シンガポールはまだ本格的な成熟期や先進工業国のレベルに達していない。
経済危機後の復調の波に乗じるため、シンガポールは競争力の強化やハブとしての地位の補強を図っているが、譬え首尾良く波に乗じても過去10年と同様な成長を再現することは望めない。
昨年リエンジニアリング・サクセスの序文を依頼された際、同相は「シンガポールは低成長時代を迎える以前にさらに5-10年間6~8%の成長を実現できる」との見通しを書き添えたが、数ヶ月前に最終校正を行った際に同部分を削除した。これは、6~8%の成長が最早非現実的なものになってしまったからである。このため同相は改めて、「シンガポールは長期にわたり8%の成長を遂げてきたが、成長減速は不回避であり、仮に今後30年間に5%の成長率が維持できれば、輝かしい成功である」と書き添えたと言う。
リー氏は、こうしたギアの入れ替えこそ、目下シンガポールが直面する主要な挑戦であると指摘した。(ST,BT,LZ:11/7)
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