1998-11-07 ArtNo.17189
◆<馬>前副首相のセックス・ゴシップは捏造:報告書
【クアラルンプル】マレーシア警察政治部が昨年8月にマハティール首相に提出した報告書は、アンワル前副首相のセックス・ゴシップは捏造されたものであり、アンワル前副首相を陥れる陰謀に関係している可能性があると指摘している。
アンワル前副首相の職権濫用に関わる公判の検察側証人を務めるマレーシア警察政治部のモハメド・サイド・アワン元部長は5日の公判審理の席上、自身が作成した関係報告書を読み上げた。
モハメド元政治部長は同報告書の中で某組織が背後に介在する形跡が存在し、同組織の一員で罷免されたムハマッド・タリブ・サロモン元警部が、副首相私設秘書の妹ウミ・ハフィルダ・アリ女史とアンワル夫人の元ドライバー、アジザン・アブバカル氏にアンワル前副首相を誹謗するよう示嗾した可能性があると指摘している。
しかし前日モハメド氏が言及したダイム・ザイヌディン総理府相(特別任務担当)、ムガ・ジュニド国内取引消費者事務相、アジズ・シャムスディン前首相政治秘書、ラヒム・タンビ・チク元マラッカ州首席大臣等の名は同報告書には結局登場しなかった。
これに対して被告側弁護士は昨年9月に首相に提出した別の報告書が有るはずとして裁判官に同報告書の提出を検察側に指示するよう求めた。しかしモハメド氏は前日の証言を翻し、そのような報告書は元々存在しなかったと語った。裁判官は検察側に関係報告書の提出を求め、検察側は発見するよう努めると答えた。
被告側クリストファ・フェルナンド弁護士がその後AP通信社に語ったところによれば、検察側証人が作成した報告書がアンワル氏に対するセックス・ゴシップが捏造であり、根拠がないとしている以上、アンワル氏の起訴理由は成り立たなくなると言う。(ST,LZ:11/7)
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