1998-11-07 ArtNo.17180
◆<星>ケッペル、組織再編に伴い50社処分/900人解雇
【シンガポール】創業以来2度目の損失計上が確実になった政府系コングロマリット、ケッペル・グループは5日、子会社50社の処分や900人整理を含む一大事業再編計画を発表した。
ケッペル・グループのシム・キーブン会長が記者会見の席上明らかにしたところによれば、30年前に造船会社としてスタートしたグループは今回の再編を通じて1)海事、2)オフショア/エネルギー/エンジニアリング、3)通信/運輸、4)不動産、5)金融の5領域を中核とする複合企業として再スタートする。
先ずグループ最大規模を有する上場企業2社、リグ建造会社のケッペルFelsとケッペル・インテグレーテッド・エンジニアリング(KIE)を合併、株主基金10億Sドル、資産20億Sドルの新上場会社を設ける。
不動産子会社ケッペル・ランドは上半期の5億Sドルの帳簿抹消に続き、不動産開発事業に8500万Sドル、永久所有権付き所有地に2億6300万Sドルを引き当てる。この結果、親会社のケッペル・コープは1985年以来初の赤字を計上することになった。ケッペル・ランドはこの他、不動産準備資産の再評価に伴う1億5000万Sドルの引き当ても予定している。
ケッペル・タットリー・バンクもこれ以前に同様な帳簿処理を行っており、これでグループの銀行部門と不動産部門は過去を清算して1999年度には身軽になって再出発することができる。銀行市況は来年は力強い回復が見込まれ、不動産市況も底入れする見通しのため、両部門は業績を改善する見通しだ。
またグループ企業600社中、不採算企業や中核業務に関係の薄い50社は、資本引き上げ、合併、閉鎖の対象とされる。これらにはケッペル・テレコミュニケーション・アンド・トランスポーテーション傘下の域内海運子会社、ケッペル・マリーン・インダストリーの米国レジャー子会社、不採算な海外造船所、ケッペル・ランド傘下のサードパーティー・ホテル管理/ヘルスケア・ビジネス、KIEの一般業務請負ビジネス部門が含まれ、5000万Sドルの引き当てが行われる。
またコスト削減策の一環として取締役、上級マネージャー・クラスの減給、その他のスタッフの昇給凍結、賞与カット、人員整理が行われ、これにより年間1億Sドルの経費削減が目指される。また仮に中央積立基金(CPF)雇用主負担率が10%ポイント引き下げられれば、さらに2000万Sドルの削減が可能になると言う。(ST,BT,LZ:11/6)
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