SEAnews 1998-11-06 ArtNo.17169

【シンガポール】米国のトップ医療機関ジョンズ・ホプキンスは2億Ｓドル以上を投じてシンガポールに医療施設を設ける。
ジョンズ・ホプキンス・シンガポールPte Ltd(JHS)のスティーブン・トムソン重役(CEO)によると、関係医療施設の完成には2～3年を要し、研究や医療教育の面で地元の研究機関と協力する。
ジョンズ・ホプキンスは別に1億～2億Ｓドルを投じて病院も建設、恐らくジョンズ・ホプキンス・シンガポール・クリニカル・サービスPte Ltd(JHSCS)がその経営に当たる。
経済開発局(EDB)幹部によると、ジョンズ・ホプキンスの施設はシンガポールのライフ・サイエンス産業の発展に寄与するものと期待される。ジョンズ・ホプキンスの存在により、例えば製薬会社は欧州や米国では実行できない試験や研究を当地で行うことができ、このため更に多くの製薬会社の呼び水にもなる。
ＪＨＳＣＳにはジョンズ・ホプキンスが10％、ＥＤＢ投資子会社が36％、ジュロン・タウン公社(JTC)子会社Arcasia Landが25％、Vista Healthcareが29％、それぞれ出資する。ＪＨＳＣＳの病院はナショナル・ユニバーシティー・ホスピタル(NUH)向かいの2.7ｈａの駐車場に向こう2～3年間に建設される予定で、今年末から事業化調査が開始され、来年5月までに病院の規模等の詳細が決定される。しかし当面ＮＵＨの36ベッドを借り受け、来年第1四半期から医療活動を開始する。
ＪＨＳはシンガポール政府や業界から8000万Ｓドルの資金援助(5年間)を得て、既に今年7月から鼻腔／咽喉癌の研究や人工肝臓の開発等に関わる業務を開始していると言う。(BT,LZ:11/5)