1998-11-02 ArtNo.17109
◆<星>値下がり続くHDB中古住宅の購入申請が急増
【シンガポール】住宅開発局(HDB)が先週金曜(10/30)発表した統計数字によれば、HDB中古住宅価格は第3四半期にカテゴリーを問わず、昨年同期比5100~1万4000Sドル・ダウン、1995年のレベルに戻ったが、その一方で中古住宅の購入申請は2万2000件と過去最高をマークした。
第3四半期にHDBに提出されたリセール申請は56.8%増加し、年初9ヶ月の合計も4万9252件と、昨年同期を25%上回った。不動産業界筋によると、中古市場で初めてHDBフラットを購入する者に政府が、4万Sドルもしくは5万Sドル(両親の付近に住宅を購入する場合)もの補助を提供する新措置を導入したことから、これまで何年もHDB新築住宅購入の順番を待っていた者が中古住宅市場に殺到したためと見られる。新措置を受けて、今年第2四半期の政府の住宅購入補助額は2億Sドルに倍増、第3四半期には2億600万Sドルにさらに増加している。
特に3ルームと4ルームの購入申請が、前四半期比各63.7%と55.8%アップ、双方合わせて8000ユニット以上にのぼった。これを昨年同期と比べるとそれぞれ174.4%と153.5%の伸びになる。
第3四半期の平均価格を見ると、エグゼクティブ・フラットは昨年同期比14%、従って7万3000Sドル・ダウンし、44万8200Sドル、5ルームは5万400Sドル安の34万7900Sドル、4ルームは3万5000ドル(13.2%)安の23万1000Sドル、3ルームは1万8900Sドル(12%)安の13万7400Sドルとなっている。
また四半期ベースでは、HDB中古住宅価格は第2四半期に4.5%、第3四半期に4.5%、それぞれ下降したが、政府の補助政策が奏功してか、民間住宅の下降幅(13.1%:別項参照)に比べると比較的穏やかなものになっている。
HDB中古住宅が今後大幅に値下がりする可能性は最早少ないものの、中央積立基金(CPF)雇用主負担率の引き下げや経済の先行き不透明なことから、アナリストも今後の価格動向を見定めかねているようだ。(ST,BT:10/31)
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