1998-10-30 ArtNo.17077
◆<星>テキサス元職員、台湾/地元/日本資本とチップ製造
【シンガポール】シンガポールの国会議員も務めるInderjit Singh氏に率いられるテキサス・インスツルメンツ(TI)の元職員らが、台湾/地元/日本資本と手を結び、シンガポールで半導体チップの検査/組立事業に着手、向こう5年間に3億5000万~4億米ドルを投資する計画だ。
新会社ユナイテッド・テスト・アセンブリー・センター(UTAC)の社長に就任したシン氏が28日記者会見したところによると、投資額の大部分は、スラグーン・ノースのマイクロ・ポリス元工場の買収費や半導体チップの製造/検査施設に充当される。マイクロ・ポリスの元工場は市価の20~30%安の3000万Sドル余で買収、来年末までに1億米ドル余が投じられる。
目下多国籍企業3社との商談が進められており、来年第4四半期までに2000万~3000万米ドルのビジネスを確保、2000年上半期までに採算ラインに載る見通しだ。
これまでのシンガポールにおける半導体ビジネスは経済開発局(EDB)のイニシアチブに基づくものだったが、シン氏が今年3月に設立したUTACは全くの民間ベースの事業で、目下50人のスタッフの半数は最近売却されたTI社チップ製造工場の元スタッフ、他のスタッフも皆この道平均10年の経験を有する。シン氏自身TIに13年勤務、退職前のポストは営業担当取締役だった。
出資者に関しては、サイエンテック・ホールディングズに率いられる台湾投資家が61%、日本のアドバンテストが7%で、シンガポール・サイドは政府投資会社タマセク・ホールディングズ/トランスパック・キャピタル・インベストメント/Vertexマネージメント/センチュリー・インベストメントそしてUtac管理職が、合計32%を出資している。従業員は来年末までに400人に増員され、向こう3年間に1200人に拡大される。
シン氏によると世界の半導体市場は来年下半期に回復に転ずる見通しで、市況の谷に投資し、上昇の波に乗る戦略と言う。(ST,BT,LZ:10/29)
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