1998-10-29 ArtNo.17064
◆<馬>英国ブルー・サークル、クダ・セメントの支配権益買収
【クアラルンプル】英国最大のセメント会社ブルー・サークル・インダストリーズPlcは、クダ・セメントの65%の権益を7億100万Mドル、1株2.60Mドルで買収するとともに、後者の約10億Mドルの負債を引き受けた。
これによりクダ・セメントの2大株主のHicom Holdings Bhd(36.3%)とBolton Bhd(28.99%)は各3億880万Mドルと3億1200万Mドルを手にする。
ブルー・サークルは58%子会社のマラヤン・セメントを通じて同取引を実行するとともに、クダ・セメントの少数株主に公開買付を提案する。このため買収コストは最終的に20億Mドルを突破するものと見られる。ちなみにクダ・セメントにはシンガポールの政府投資会社タマセック・ホールディングズも2.17%出資している。
ブルー・サークルはマレーシアのセメント産業の半ばを支配することになるが、経済危機がなければこうした取引は成立しなかったものと見られる。マレーシアの自動車工業グループのHicomは26億Mドルの純負債を抱え、財政難に直面しており、今回の取引で得た資金も債務返済に当てられる見通しだ。
しかしセメント生産能力1トン当たりの買収価格は147米ドルとなり、タイやフィリピンにおける同様の企業買収の110~130米ドルを上回っている。このためアナリストらは外国投資家が依然として投資地としてのマレーシアを好感している証左と指摘している。(ST,BT,LZ,NST,MBT,STAR:10/28)
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