1998-10-26 ArtNo.17015
◆<星>証取、ミッド・コンティネントのセスダック登録資格取消
【シンガポール】シンガポール証取(SES)は23日、石油鉱区機器/部品サプライヤーMid-Continent Equipment Group(MCEG)のセスダック登録資格を取り消すとともに、公募幹事を務めた華僑銀行(OCBC)を厳重に訓戒した。
SESの声明によれば、MCEGの株式所持者は70人に満たず、内5人が総発行株式の96.5%を保有、これに反して58人の所持する株式は1%に満たない。この点からもMCEGの株式は過度に少数の者に集中していることが明らかである。SESは、新株発行を通じた株主基盤の拡大策も検討したが、不良な先例を作ることを回避するため、MCEGのセスダック登録を取り消す方針を決めたと言う。
SESはまたMCEGの1800万株の公開公募に際して内1620万株を私募方式により僅か5人に配分したOCBCを厳しく批判した。それによると、これら5人の投資家は1800万株中の90%以上の配分を受けることを条件に、株式購入を提案したが、OCBCはその事実をSESに報告しなかった。セスダックの登録規約では、総発行株式の25%以上を私募に付すことは禁止されており、同比率を越える際は、SESの事前認可を得ることが義務づけられている。
株式の公私募を引き受ける幹事は、上場/登録規則が遵守されるよう監督する義務を負うが、OCBCは同義務を果たさなかった。
MCEGの株価は公開公募後僅か1週間に公募時の15Sセントから87.5Sセントに急騰、同期間には公開された株式の5倍以上の9500万株が取引され、内8300万株は相対取引だった。SESはこのため7月31日に同カウンターの取引停止を指示するとともに、捜査を開始した。
MCEGの株式を手に入れた一般投資家に関しては、SESが8月11日に発表した公正な価格59SセントでOCBCが買い取ることを認めている。しかし上述の5人の主要株主や大蔵省商事調査局(CAD)の捜査を受けている者は含まれないと言う。
リー・シエンロン副首相は、最近の国会答弁でMCEG事件はSESの上場条件や処理手続きに弱点が有ることを示しており、金融管理局(MAS)はSESに対して改善を指示したと語った。(ST,BT,LZ:10/24)
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