1998-10-24 ArtNo.17002
◆<星>今年の平米当たり小売り販売、昨年比19%ダウン
【シンガポール】今年は通年で17万平米の小売りスペースが追加されるため、1平米当たりの小売り販売は6500Sドルと、昨年比19%下降する見通しだ。
統計局(DOS)が22日発表した“リテール・トレード・パフォーマンス1994-1998”は、以上のように予測している。同予測は不動産コンサルタント会社ジョーンズ・ラング・ウートン(JLW)が提供した小売りスペース・データと今年初8カ月の小売り販売実績に基づいている。
それによると今年初8カ月の小売り販売は昨年同期比13%下降した。ちなみにに同数字には自動車販売とガソリン・スタンドの売上は含まれていない。またJLWのデータからは劇場/フード・コートが除かれている。1993年当時は年率20%の成長が記録された小売りスペースの供給は1994-96年の間には年率1%の成長に鈍化したが、その後多少回復に転じ、今年は8%の増加が見込まれている。
シンガポール国民の支出の比重が資産と海外旅行に傾斜する中で、小売り販売は既に1994年から陰りが生じ、加えて外国人旅行者のショッピング支出も1995年の30億Sドルから昨年の24億Sドルに縮小した。1996、97年には国民消費に回復の兆しが生じ、外人旅行者支出の減少を補ったが、域内経済危機の発生で、消費者の消費性向は再び慎重なものに変化している。
今年初8カ月の小売り販売は月間11億7000万Sドルと、昨年7月の15億3000万Sドルから顕著な落ち込みを見ている。しかしながら家具/家庭用品は1996/1997年の間に10%の成長を見た。
地域的に見ると、中央市街地(CBD)の小売り部門が、CBD外部のそれに比べ深刻な不振に直面、CBD内部ではオーチャード・ロード周辺の受けた打撃が、ラッフルズ・シティーやマリーナ・スクウェアに比べ大きい。
DOSは小売りスペースの新規供給が持続していることから、小売業界内部の競争は今後一層過熱すると予想している。(ST,BT,LZ:10/23)
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