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1998-10-21 ArtNo.16959
◆<馬>アナリスト、M$60億貿易黒字の幻影に警鐘
【クアラルンプル】マレーシアの貿易収支が60億Mドル以上の黒字を計上する中で、好調な輸出に支えられ国内経済が復調するものと期待されているが、エコノミストらは、米ドル・ベースでは輸出も輸入も大幅な縮小を見ている点に警戒している。
マレーシアの年初8カ月の輸入は米ドル建てでは28%縮小、輸出も11.4%下降した。マレーシアの最大の輸出品目、電子製品の海外市場は依然として過剰供給に直面している。とは言え、貿易パフォーマンスの後退を経験したのはマレーシアだけでなく、シンガポールの同期の輸出も米ドル換算で20%ダウン、タイは38%下降した。
より警戒すべきことは米国や他のG7諸国の経済にも陰りが生じていることで、少なからぬアナリストが、景気刺激措置により、資本財の輸入が拡大する反面、輸出の成長がこれに伴わず、再び貿易収支が悪化する可能性を指摘する。
とは言えマレーシアの現在の貿易黒字は国内総生産(GDP)の10%を越えており、これは貿易赤字がGDPのそれぞれ4.8%、4.9%、10%を占めた1997年、1996年、1995年の状況とは様変わりしている。輸入がマイナス成長を続けている現状では、この膨大な黒字が消失する恐れはそう大きくないと言える。
しかし1985/87年の先のリセッションを脱却した際に主要な原動力になった日本資本の大量流入が、今回は望めないことが、もう1つの懸念材料と言う。(BT:10/20)
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