1998-10-21 ArtNo.16955
◆<星>HP/ネットスケープ、ISPの付加価値サービスを支援
【シンガポール】シンガポールのインターネット・サービス・プロバイダー(ISP)市場が全面的に開放される中でヒューレット・パッカード(HP)とネットスケープは共同で、既存のISPや潜在的ISPの付加価値サービス導入を支援する計画だ。
HPシンガポールの幹部が先週催された新製品発表会の席で語ったところによると、これまではサーバー数台を購入しただけで営業を開始するISPが存在したが、競争が過熱する中で、電子メールやインターネット・アクセス・サービスの提供だけでは不十分になっており、この種のISPは既に市場から撤退、もしくは間もなく撤退する他なくなっている。その反面、高品質で、信頼性の高いサービスを提供する、比較的大規模なISPが好収益を上げ、成長を遂げている。
HP社は後者のようなISPをターゲットにしており、オーストラリアのTelstraや米国のPSINetに、付加価値サービス面で支援を提供している。
ネットスケープ幹部も、域内のISPの20~30%が高付加価値サービスを手がけるようになると予想している。HP社はネットスケープのSuiteSpot Hosting Editionの売り込みを引き受けており、ISPは、同ソフトウェアにより法人顧客のためにEメールのホスト・サービスを提供できる。個々の企業はISPからこうしたサービスを受けることにより、独自のEメール・システムを設けるのに比べ、コストを大幅に削減できる。
しかし、業界筋は、Eメールのホスト・サービスには低コストな専用回線が前提と指摘する。それによると、米国に比べアジア諸国における専用回線のリース料は高いため、アジアのISPがこの種のサービスを提供しても、その採算性は疑問と言う。
ともあれ、ネットスケープはインド、フィリピン、そして経済危機下のインドネシアでもISP顧客を獲得できるものと予想、取り分けインドのISP市場開放の動きに期待を寄せている。
HP社はまた、シスコ・システムと共同でスマート・インターネット・ユッセージ・マネージメント・システムを開発した。ISPは同システムを通じて顧客データを分析、それぞれの顧客グループにマッチした様々な新サービスを提供したり、顧客データのパッケージそのものを他のISPに売り込むことができる。中国の上海テレコムは既に同ソフトウェアを利用してサービスの種類を3倍に拡大したと言う。(BT:10/19)
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