SEAnews 1998-10-20 ArtNo.16942

【クアラルンプル】マレーシア政府の経済政策立案に深く関わるダイム・ザイヌディン総理府相(特別任務担当)は16日催されたBusinessweek-ASLI CEO Conferenceの会場でムスタパ・モハメド第2蔵相により代読されたスピーチの中で、政府が採用した選択的な通貨統制策は恒久的なものではなく、ヘッジ・ファンド活動等が規制され、安定した資本の流動が確保される外的環境が整うなら、直ちに解除されると語った。
それによるとマレーシア政府は常に市場開放を志向しており、グローバル・エコノミーの積極的な参加者である。マレーシアはこれまで開放経済政策から恩恵を受け、世界経済との一体化を目指してきた。このため国内経済を保護する狙いから政府が採用したプラグマチックな、また前例のない選択的通貨統制策は、決して恒久的なものではないと言う。
スター紙は、18日の紙面で以上のようにダイム氏の発言内容を伝えたが、前日の17日に同じダイム発言を報じた際には、マレーシアは、通貨市場の安定を招来する国際金融体制が確立した後に初めてその選択的通貨統制を解除すると、多少異なる表現を用いている。ダイム氏は、通貨統制策により、マレーシア経済が一息つくゆとりができたこの機を利用して企業は生産性の向上と競争力の強化に一層努力する必要があると指摘した。
ダイム氏は、今回の通貨／経済危機はマレーシアを含む東アジア諸国にとって不可避なもので、大きな苦痛を伴う教訓となったが、勤勉で、教育された国民、市場志向の政府等、安定成長の基礎は変化しておらず、アジアの奇跡は再現すると自信を表明している。(STAR:10/17,18)